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殿部から足の付け根の痛み、踏ん張れない(60代 男性)
主訴
殿部(お尻)から足の付け根が痛い。
立って片足に体重を掛けると、特に痛い。
散歩をほぼ毎日しているが、痛くて歩くのが辛い時がある。
足に力が入りにくい時があり、階段を上る時に踏ん張りが利かない。
最近、母趾(足の親指)に痺れも出てきた。
長年、畑仕事をしており元々腰痛がある。
治療と経過
触擦すると、腰部と殿部の筋肉が硬く、全体的に筋緊張が見られた。
殿部の筋肉の中殿筋と小殿筋に筋硬結があり、圧迫により認知覚が確認できた。
この中殿筋と小殿筋のトリガーポイントによる症状と推察し、鍼治療を行った。
【1回目】変化なし。
【2回目】痛みが少し楽になった。力はまだ入りにくい。
【3回目】以前より楽だが痛みはある。
【5回目】殿部の痛みが半分以下になる。以前より足に力が入り、踏ん張れる感覚がある。
【6回目】母趾の痺れが少し和らいでいる。
【7回目】殿部の痛みはだいぶ取れたが、股関節奥の方に痛みが残っている。
【9回目】痛みがほぼ無くなり、階段でも踏ん張れるようになった。痺れは少しあるが気にならない程度である。
考察
今回のケースは、中殿筋と小殿筋のトリガーポイントによる股関節の痛みの症状でした。
中殿筋は、骨盤と大腿骨を繋ぐ筋肉で、歩行時に骨盤を支えて身体のバランスを保つ重要な筋肉です。
この中殿筋がトリガーポイント化すると、股関節や殿部の痛みだけでなく、時には坐骨神経痛の様な足の痺れや痛みの症状が発現します。
また、奥の方の痛みには小殿筋のトリガーポイントが関与しているケースもあり、股関節の痛みは鍼治療の適応症です。
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