肩こりと歩行時のふらつき、めまい感

肩こりと歩行時のふらつき、めまい感（60代 女性）

主訴

とにかく肩がよく凝る。

朝起きた時は首から肩にかけて硬直した様に固まっていて、動かすと痛みと筋肉の突っ張りを感じる。

スマホを長時間見てしまった後も、痛いほど首と肩が凝り固まってしまう。

めまいの症状は、特に歩く時に頭がフワフワしてふらつく感じがする。

自転車でふらつくと危ないので、怖くて自転車に乗れない。

病院で脳の検査を受けたが異常は無く、耳鼻科で投薬治療を受けたが改善は見られなかった。

 

治療と経過

触擦すると、頚部から肩にかけて筋肉の強い緊張が見られた。

頚椎から肩甲骨にかけての筋肉である肩甲挙筋に筋硬結が触擦でき、圧すると普段動かすと痛い箇所と一致し、認知覚が得られた。

この肩甲挙筋の筋硬結が肩こりの症状の主体であると判断し、頚部から肩にかけてトリガーポイント鍼治療を行った。

【1回目】肩が少し軽くなったように感じる。めまい感、ふらつきは変化なし。

【2回目】朝起きた時の硬直感が軽減し、動かした時の痛みも減っている。

【4回目】歩く時のふらつきが以前より良くなっている。

【6回目】スマホを長時間見た後は肩こりを感じるが、前ほど辛くない。

【7回目】朝起きた後の痛みもほとんど無く、肩こりはだいぶ楽である。

【9回目】歩く時のふらつきもほぼ無くなり、また自転車に乗れるようになった。

 

考察

肩こりの改善に伴って、めまい感・ふらつきの症状も改善された事から、今回のケースでは首と肩のこりがふらつきの症状に関係していたものと考えられます。

めまいは脳や耳鼻科領域の疾患であるというのが一般的な認識だと思いますが、頚性神経筋症候群など首が原因のめまいもあります。

検査で異常が無い場合や薬で改善が見られない場合は、首の治療で改善が見込めるケースもあります。

首や肩の筋肉が硬くなった状態が慢性化すると、肩こりの症状だけでなく、頭痛やめまい等の症状が発現することもありますので、予防には適切なケアが必要です。

 

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